Riff

Month 1 — ペンタトニックでネックを制覇 → ブルースへ · 3週目

ペンタ第4ボックスを刻む+第3↔第4ボックスのスライド接続

約50分

理論 · 解説

今日なぜこれをやるかというと。この2週間、あなたは5フレット付近(第1・第2・第3ボックス)だけで過ごしてきました。手もそこにすっかり馴染んだと思います。実はここがポイントで、即興がうまくいかない中級者の方は、ネックの下半分がまだ馴染んでいないことが多いんです。バッキングを流すと、手が自動的に5フレットへ向かって、同じリックを繰り返すだけで終わってしまいがち。ネックは21フレットもあるのに、5〜8フレットだけで過ごしていることになるんですね。

だから今日から、12フレットより上へ引っ越します。最初の新居が第4ボックスです。このボックスでは根音Aが5弦12フレットにあります。12フレットってどこでしょう?ちょうど1オクターブの地点なんです。つまり第4ボックスの根音(5弦12フレットのA)は、あなたがすでに知っている5フレット第1ボックスの音を、1オクターブ上でもう一度出会っているだけなんです。見知らぬ街ではなく、知っている歌を高い声で歌っているだけ、ということですね。

そして今日の本当の宿題は、第4ボックスを「単独で」覚えることではありません。第3ボックスとつなぎ合わせることです。先週覚えた第3ボックス(9〜12フレット)と今日の第4ボックス(12〜15フレット)は、12フレットで壁一枚を共有しています。二つのボックスは他人同士ではなく、12フレットで手をつないでいる隣人なんです。これを体で感じるために、今日はスライドを使います。5弦12フレット(A、根音)から15フレット(C、♭3)へすーっと滑らせると、第3ボックスから第4ボックスへ引っ越しながら、同時に今日のターゲット音C(♭3)に着地します。この一つの動きで「ボックス接続+3度着地」を同時に学ぶわけです。

覚えておくべき座標は変わりません。A(R)・C(♭3)・D(4)・E(5)・G(♭7)。位置が12フレット上に移っただけで、音の役割はまったく同じです。特にC(♭3)、この音は第4ボックスでは5弦15フレットと2弦13フレットに住んでいます。ここが今日の緑の印です。

目で見る

まず今日の新居、第4ボックスです。根音A(5弦12フレット)を中心に、緑にハイライトされているのが着地ターゲットのC(♭3)です。

次は第3↔第4をつなぐ接続ラインです。1小節目は第3ボックス(9〜13フレット)の中を3度で動き、2小節目で5弦12フレット(A)→15フレット(C)のスライドで第4ボックスへ引っ越しながらC(♭3)に着地します。最後のCはビブラートで歌ってください。

111213141516eBGDAE154b71R4b314351b73R1b334154b7
A minor pentatonic — Box 4 (12th position)
4/4 · block_connectioneBGDAEsl 1512R10b312951210R13b31251013b3121212R15b3
Box 3 -> Box 4 sliding connection (land on b3)

今日の練習

0〜10分・ウォームアップ(BPM 80) メトロノーム80に合わせ、第4ボックスだけを4連符(16分音符)のシーケンスで上行・下行を各1回。5フレットでやっていたあのシーケンスを、今度は12フレットでそのまま。手の形が5フレットより少し狭く感じるはずです(高いフレットほどフレット間隔が狭くなるので)。その感覚に手を慣らすのがウォームアップの目的です。

10〜20分・頭のトレーニング(今日のターゲット=C/♭3、第4ボックス内) メトロノームを止めて、第4ボックスの中でC(♭3)の2か所だけを探して押さえます。5弦15フレット、2弦13フレット。押さえるたびに「シー!」と声に出してください。次のチャレンジ:目を閉じて根音A(5弦12フレット)を押さえたあと、そこから一番近いCへ、指一本動かすだけでたどり着けるか体で探ってみましょう。3分以内に目を閉じたままA↔Cを往復できれば合格です。

20〜40分・実戦即興(Am ワンコードバッキング/75〜80 BPM) 「Am backing track」で何でも一つ流します。今日のルール:演奏は第3ボックス(9フレット)から始めて、曲の途中で必ずスライドで第4ボックス(12フレット)へ引っ越し、C(♭3)に着地して止まる。上の接続ラインをそのまま使ってもいいですし、アレンジしてもOKです。大事なのは「低いボックスから始める→スライドで上へ引っ越す→ターゲットに着地」という流れを、一つのフレーズの中で作ることです。最低8回繰り返してください。

40〜50分・録音・フィードバック(推奨) 手元の録音アプリ(スマホのボイスメモでもOK)で30秒だけ。聴き直してチェックするのは一つだけ。スライドの到着音(C)の音程が正確か。スライドは目でフレットを見ずに手の感覚で滑らせるので、15フレットを行き過ぎたり届かなかったりしやすいんです。再生速度を落として聴けると、到着の瞬間をもっとよく捉えられます。到着があいまいなら、そのスライドだけを10回別で繰り返しましょう。

今日の完了基準:BPM 80で第4ボックスのシーケンスを上下行クリア+第3→第4のスライド接続でC(♭3)への着地を8回成功(目を閉じたA↔C往復も含む)。

  • 12フレットで手の形が崩れる。高いフレットはフレット間隔が狭いので、5フレットで使っていた指の開き方のまま来ると、指同士がぶつかってしまいます。手全体を少しすぼめましょう。「同じ形、小さいサイズ」です。
  • スライドを「速く滑らせること」と勘違いする。スライドの目的はスピードではなく、正確な到着です。12→15は3マス。ゆっくりでもいいので、15でぴたっと止まってCが鳴ってこそ着地です。行き過ぎるとD(4)になってしまい、「あれ?」となります。
  • 第3ボックスへ逃げ戻る。慣れた9フレットの方が楽なので、つい下に戻ってしまいます。今日はあえて上へ引っ越して踏みとどまる日です。12フレットでぎこちなく立っているその時間こそが、ネックを広げる唯一の方法です。
  • 着地のCをかすめて通り過ぎる。スライドでCに到着したら、最低1拍はとどまってビブラートで歌ってください。着地の力は「とどまること」から生まれます。かすめるだけなら着地ではなく、ただの通過点です。