Riff

Month 1 — ペンタトニックでネックを制覇 → ブルースへ · 2週目

ペンタ第2ボックスを体に入れる+第1↔第2ボックスのスライド接続

約50分

理論 · 解説

今日なぜこれをやるかというと、先週は第1ボックス(5フレット)を手だけじゃなく耳にも刻み込みましたよね。実はここがポイントで、第1ボックスだけを掘り続けると、5〜8フレットという狭い檻に閉じ込められやすいんです。即興が窮屈に感じる本当の理由がこれなんです。「音を自由に選べる」ためには、指板が広くなければいけません。だから今週はネックの上のほうへお引っ越しします。今日はその最初の新居、第2ボックス(7〜10フレット)です。

でも、ここでほとんどの人がつまずきます。第2ボックスもまた「上行–下行でラララ…」と丸暗記しようとするんです。それだと檻が一つ増えるだけ。私たちが欲しいのは檻じゃなく高速道路です。第1ボックスから第2ボックスへ、車線変更するみたいにスーッと移る道。その道を作る道具がスライドなんです。

ポイントはこれです。第1ボックスと第2ボックスはぴったり隣り合って音を共有しています。例えば4弦を見ると、第1ボックスのA(7フレット、根音)と第2ボックスのC(10フレット、♭3)が同じ弦の上にあります。つまりAを押さえた指を10フレットまで滑らせるだけで、気づけば第2ボックスに着地していて、しかもその着地音が私たちの永遠のターゲット、C(♭3)なんです。スライド一回で「ボックス移動+ターゲット着地」が同時に完成するわけです。今日はこの橋を一本、しっかり架けます。

目で見る

まずは第2ボックスの地図です。見慣れない場所ですよね?根音Aは4弦7フレットにあって、緑のC(♭3)があちこちに散らばっています。このCたちが、これからのあなたの着陸地点です。

ここからが今日の本題です。第1ボックスから出発して、4弦のA(7フレット)を10フレットまでスライドさせて第2ボックスへ渡ります。着地音がC(♭3)になっているのが見えますか?最後は第2ボックスの中で高いCに着地して、ビブラートで締めくくります。

7891011eBGDAE2b34154b71R4b314352b74R2b34
A minor pentatonic — Box 2 (connects up from Box 1)
4/4 · block_connectioneBGDAEsl 105R8b357557R7b3795810R8b3108b3
Box 1 -> Box 2 sliding connection (land on b3)

今日の練習

0〜10分・ウォームアップ(BPM 70) メトロノーム70に合わせて、第2ボックスだけを8分音符で上行・下行それぞれ1回、体になじませます。上行・下行を覚えることが目的ではなく、新しい場所の地形をつかむことが目的です。根音A(4弦7フレット)を毎回声に出して「エー!」と呼びながら、このボックスの中心がどこかを手に刻み込みます。今日、上行・下行が許されるのはこのウォームアップだけです。

10〜20分・頭のトレーニング(今日のターゲット=C/♭3、そしてスライドの橋) メトロノームを止めて、上の接続ラインの核心となる一つの動作だけを繰り返します。4弦7フレット(A)を人差し指で押さえ→10フレット(C)まで滑らせる。このスライドを20回。ポイントは二つ。①到着フレット(10)できっちり止まって、C音が生きていること。②滑っている間、指の圧を弦から離さないこと(離すと音が途切れます)。目を閉じても10フレットにピタッと止まれれば合格です。

20〜40分・実戦即興(Amワンコードバッキング/BPM 70) 「Am backing track slow」あたりを一つ流します。ルールは一つだけ。第1ボックスから始めて、今日習った4弦スライドで第2ボックスに渡り、第2ボックスの中でC(♭3)に着地して止まる。まだ派手なフレーズは気にしなくて大丈夫です。「第1ボックス→橋→第2ボックス→C着地」というこの一連の旅が途切れずに転がれば、今日は大成功です。慣れてきたら逆に、第2ボックスから始めて第1ボックスへスライドで降りてみましょう(10フレットC→7フレットAへの逆スライド)。

40〜50分・録音・フィードバック(推奨) 手元の録音アプリ(スマホのボイスメモでもOK)で、接続ラインを含む30秒のジャムを録音します。聴き直して、チェックするのは一つだけ。スライドの着地音(C)がくっきり「決まって」いるか、それともスルッと崩れてしまっているか。崩れていたら、スライドの速度が速すぎるサインです。明日は着地の直前で少しだけ減速する感覚を試してみてください。

今日の完了の目安: 第2ボックスの根音A(4弦7フレット)を目を閉じて押さえられる。4弦のA→Cスライドで第1↔第2ボックスを行き来しながら、Cに3回以上正確に着地できる。

  • 新しいボックスをまた「上下行の檻」にしてしまう。 第2ボックスも上下行だけで回すと、檻が一つ増えるだけです。今日の本当の目標はボックスそのものではなく、ボックス同士の橋です。位置はざっくり覚えて、スライド接続によりたくさん時間を使いましょう。
  • スライド中に圧を抜いてしまう。 滑っている間に指が弦から浮くと、「ピキッ」と音が途切れます。アイロンをかけるように、弦をずっと軽く押さえたまま移動してください。これがスライドと、ただの「手の移動」との決定的な違いです。
  • 到着フレットを行き過ぎたり、届かなかったりする。 10フレットにきっちり止まって初めてCが生きます。最初は目でフレットを確認してもいいですが、目指すのは耳で着地を確認することです。音程が合っていれば、手はちゃんと止まっています。
  • 着地音をあわてて離してしまう。 先週もお伝えしましたよね?Cに着地したら、最低1拍はとどまってビブラートで歌ってください。新しいボックスだからといって、着地の原則が変わるわけではありません。ネックのどこへ行っても、終わりはいつもコードトーンです。