理論 · 解説
今日なぜこれをやるかというと、これから3か月ずっと住み続ける本拠地を、今日整え直したいからです。それがAマイナーペンタトニック第1ボックス(5フレット)。すでに知っている形かもしれませんが、今日は「手が覚えている上下行」を超えて、その中のそれぞれの音がどんな役割を持っているかまで目に焼き付けていきます。
上下行は「予熱」であって、目標ではない
実はここがポイントで、ペンタボックスを下から上へ、上から下へ往復する練習は、即興の実力にはあまり役立ちません。なぜなら音楽には「6弦から順番に上がっていく」なんてルールがないからです。上下行ばかり延々とやると、手は「とにかく隣の音へ」という慣性だけを覚えてしまいます。だから即興のときも、それしか出てこなくなるんです。
だからWeek 0では、あくまで手をほぐすためだけに短く許可して、今日さっそく最初の出口を開けます。それが3度インターバル(音程)シーケンスです。
3度インターバル=一つ飛ばし
ペンタトニックを「順番に」ではなく、「一音飛ばしながら」弾くということです。Amペンタの音は低いほうからA – C – D – E – G – A…と続きますが、3度で弾くというのは:
- Aから次の音ではなく、一つ飛ばして → D
- Cから一つ飛ばして → E
- Dから一つ飛ばして → G
- Eから一つ飛ばして → A
こんなふうに「ペアを組んで飛び越える」弾き方です。(補足:ペンタトニックでこうやって一音飛ばすと、実際の音程は短3度・長3度・4度が混ざって出てきます。なので、あくまで「3度シーケンス」と便宜的に呼んでいるだけです——音程の計算に頭を悩ませず、「一つ飛ばし」として理解すれば大丈夫です。)
このちょっとした違いがなぜ重要かというと、飛ばした瞬間、音が急に「メロディらしく」聞こえ始めるからです。順次進行(上下行)が階段だとすると、3度はちょっとしたジャンプ。だから耳が「あ、何か歌っている」と反応するんです。これが即興の最初の材料になります。
目で見る
(a) Aマイナーペンタトニック第1ボックス — 役割つき
(b) 3度インターバルの味見 — 低い弦からペアで飛び越える(上行)
今日の練習
0〜10分・ウォームアップ(BPM 60〜72)
- Day 2のスパイダーウォーク1-2-3-4を1セット、手を起こします。昨日到達したBPMからスタート。
- 完了の目安:かすれなく2往復。
10〜20分・頭のトレーニング(BPM 70)— ボックスのリフレッシュ+役割確認
- 上の(a)のボックスを上行–下行、たった4往復だけ(予熱なので短く!)。オルタネイトピッキングを維持。
- そのあと大事なこと:指板のR(A)3か所、♭3(C)3か所の位置だけをコツコツ押さえながら「ルート、3度、ルート、3度」と声に出してみましょう。
- 完了の目安:見なくてもR3か所・♭3 3か所を手がすぐに見つけられる。
20〜40分・実戦感覚(BPM 70、Amバッキング)— 3度シーケンス→即興へ接続
- まず上の(b) 3度インターバルのタブをBPM 70で、一音ずつしっかりと。最初は途切れてもOK、飛び越える音に耳を開いていきましょう。
- 慣れてきたらバッキングを流して、「上下行半分、3度半分」を混ぜて即興。ルール:フレーズの終わりはできるだけ♭3(C)かR(A)で止める。
- 完了の目安:3度の跳躍が一度でも「メロディらしく」聞こえた瞬間があれば成功です。
40〜50分・録音・フィードバック(推奨)
- 3度を混ぜた即興を40秒録音。チェックポイント:「上下行だけのときより、歌っぽく聞こえる区間ができたか?」
- 良かった2秒間があれば、それが今日の収穫です。その感覚を覚えておいてください。
- また上下行に逆戻りしないでください。手が楽だからといって上行–下行ばかり繰り返してしまうと、今日の目的をまるごと逃してしまいます。無理にでも「飛び越え」を混ぜましょう。
- 3度を飛ぶときピッキングが絡まる→弦を跨ぐ場面が多いからです。最初はBPM 55まで落として、弦移動の箇所だけを切り出して繰り返し練習してみてください。
- ♭3(C)の魅力を聞き流さないでください。Amの中でCは、ただのスケール音ではなくコードの3度(ガイドトーン)です。ここで止まったときの安定感を体で覚えておくと、Month 1の3度着地トレーニングがぐっと楽になります。
- 一度にたくさんやりすぎ?今日は「ボックス復習+飛び越えの味見」の二つだけです。完璧にできなくても大丈夫。味見をすれば十分です。