Riff

Month 1 — クロマチックからパワーコードまで、手をつくる30日 · 3週目

パームミュート+ダウンピッキング — チャクチャクのグルーヴ

約30分

理論 · 解説

いよいよパワーコードにリズムを着せます。今日、右手が覚えるのはパームミュート — 右手の手刀をブリッジにそっと乗せ、音を半分ふさぐ技術です。開いて鳴っていたパワーコードが、急に低く「チャクチャク」とうなる音に変わります。これがロック・メタルのリフの、心臓の鼓動みたいなグルーヴです。手刀ひとつで音の表情がまるごと変わるのに驚くはずです。右手は腕ではなく手首で軽く振るように動かします — そうすれば長く刻んでも疲れません。

パームミュートのリフの相棒はダウンピッキングです。上から下だけに刻むと、音が重く均一になります。手刀をブリッジのすぐ手前に乗せる位置が肝心で、深く覆いすぎると音程が消え、浅すぎるとふさがりません。「音程は残り、後ろが短く切れる」その一点を手が覚えるまで、あちこち転がして探します。ブリッジに乗せた手刀は弦から離さずくっつけたまま、右手のピッキングだけを繰り返すと、位置がすぐ体に馴染みます。

今日の目標は速さではなく拍にぴたっと張りつく均一さです。8つの「チャク」がすべて同じ強さ・同じ長さで出れば、それが完成です。強弱をつけたい欲はいったん置いておいて。均一さが先、表情はそのあと。このパームミュートのチャクチャクさえ手につけば、〈Iron Man〉の重いイントロがそのままあなたの手から出ます。

目で見る

まず開放E5をパームミュートだけで刻んでみます。8回の「チャク」が、すべて同じ強さ・長さで出るように。

= 901P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.0202020202020202
Palm-muted E5 chug

▶ BPM 90、すべてダウンピッキング。手刀をブリッジに乗せ「音程は残り、後ろが短く切れる」音を探して。8つのチャクを均一に。

つぎはグルーヴをつくります。パームミュートでチャクチャク刻んだあと、最後の1コードだけ手刀を離して開いて鳴らします(緑の強調)。

= 901P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.P.M.020202020202020202020202020202
E5 chug into an open ring

▶ BPM 90、ダウンピッキング。前半はパームミュートで低くチャクチャク、最後の緑のE5だけ手刀を離して開いて鳴らして — その一発がグルーヴの句点です。

今日の練習

0〜7分・ウォームアップ BPM 70で昨日のG5↔A5往復を軽く繰り返して左手を温め、右手の手刀をブリッジ手前に乗せる位置から決めます。

7〜17分・今日の技術 例1(パームミュートのE5チャクチャク)をゆっくり。手刀の深さを細かく調整して音程は残り、後ろが短く切れる音を探します。8つのチャクが均一か耳で確認します。

17〜27分・応用 例2(チャクチャク+開いたE5)をBPM 80で4回繰り返す → 均一にできたら90へ上げます。最後の緑のE5だけ手刀を離して開いて鳴らすのを忘れずに。

27〜30分・チェック 届いたBPMを書き留め、30秒録音してチャクがすべて均一な強さ・長さか聴いてみましょう。

今日の完了基準: パームミュートのパワーコード・リフ(定拍の8分音符)を、目標BPM 90で強さ・長さそろえてチャクチャク弾ける。

  • 手刀が深すぎ。 深く覆うと音程が消え「ドスッ」という音だけに。音程が少し残る位置まで手刀を後ろへ引いて。
  • アップを混ぜる。 パームミュートのリフはダウンピッキングが基本。上から下だけで刻むと音が重く均一に。
  • 強弱を欲張る。 まずは8つのチャクを同じに出すのが先。アクセントは均一さが決まってから。
  • 手首に力み。 手刀は乗せるだけ、右手は手首で軽く振ります。腕に力が入るとすぐこわばります。