理論 · 解説
5週目で手に入れたブルーススケール、いよいよその音を「泣かせる」番です。これまではフレットを正確に押さえて音を出しましたが、今日からは押さえた弦を上へ押し上げて音程そのものを引き上げます。これがベンディング(bending)です。ベンディングは、声が音を押し上げて泣くのとまったく同じです。同じ一音でもただ押さえれば平凡ですが、少し押し上げて戻せばブルース特有の「泣く」表情が生まれます。今日はこのベンディングを二つの大きさに分けて、目標音まで正確に届く方法を身につけます。
ベンディングは押し上げる「距離」で分かれます。半音だけ上げれば半音ベンド、全音(=半音二つ)上げれば全音ベンドです。フレットで言えば半音は一つ分、全音は二つ分だけ音を引き上げるわけです。大事なのは「どれだけ強く」ではなく「どの音まで」です。目標音が半音上か全音上かを先に決めて、ちょうどその音程に着くように押します。中途半端に引っかかると、泣くのではなく外れた音に聞こえます。
今日の舞台はボックス1の3弦7フレット、4度(D)です。この一か所で二つのベンドを両方練習します。半音上げればブルーノート(b5)あたりのぼやけた音になり、全音上げれば5度(E)というはっきりした目標音に着きます。ベンドが目標音まで正確に届くか耳で確かめる、それが今日のすべてです。だからコツを一つ — 押す前に着地する音を別の場所で先に弾いて耳に入れておくと、ベンドがその音に届いたかすぐ比べられます。指先の力より耳を信じて進みます。
▶ BPM 60。 4度(3弦7フレット)を半音押してb3へ戻し、また4度を全音押して5度(2弦5フレット)に合わせます。半音と全音、二つの大きさを並べて聴いてみてください。
目で見る
さあ、今日ベンドする場所を指板でピンポイントに見ておきましょう。3弦7フレットの4度(D)を押して、その音を2弦5フレットの5度(E)とぴったり合わせれば全音ベンド成功です。譜面で緑に塗られた5度が、ベンドの着地すべき地点です。
▶ 緑が目標です。 3弦7フレットを押して、2弦5フレットの5度と同じ高さに着地させます。
押す前に着地音を耳に入れておくと、ずっと楽になります。
今日の練習
0〜10分・ウォームアップ BPM 60、とてもゆっくり。今日ベンドする3弦・2弦を軽く上り下りして手をほぐします。
▶ BPM 60。 3弦・2弦を軽く上り下りして手を温めます。
10〜20分・頭のトレーニング(今日のターゲット=着地音を先に耳に入れる) 押す前に目標音を先に弾いてみます。半音ベンドの目標はブルーノート(b5)、全音ベンドの目標は5度(E)です。この二つの音をしっかり耳に入れておくと、ベンドがずっと楽になります。
20〜40分・実戦ベンディング(BPM 60) まずは半音ベンドです。3弦7フレット(4度)を半音だけそっと押し上げます。
▶ 半音ベンド。 4度を半音だけ押して、ブルーノート(b5)あたりのぼやけた音を出します。
次は全音ベンドです。目標音の5度を先に弾いてから、同じ音になるまで押し上げます。
▶ 全音ベンド。 先に5度を弾いて、4度をその高さまで全音押し上げます。
押し上げた音が目標音とまったく同じに聞こえれば成功です。
40〜50分・録音 全音ベンドを録音して、先に弾いた5度とベンドした音の高さが同じか聴いてみます。違えば、もっと押すか少し戻して合わせます。
今日の完了基準: 3弦7フレットの4度を全音押し上げて5度の音程を正確に出し、半音ベンドと音をはっきり区別できる。
ベンドのときによくあるミスです。急いで力から入れず、耳で目標音をつかむ習慣をつけます。
▶ 目標音をまず耳に。 5度(緑)を弾いて、その音に向けて4度を押します。
- 目標音を通り越す。 全音のところをさらに半音分上げてしまうと音が浮きます。目標の5度でぴたりと止めます。
- 指一本だけで押す。 3の指で押しつつ1・2の指を後ろから添えて一緒に押すと、ずっと安定します。
- 親指をネックの裏に隠す。 親指をネックの上に軽くかけるとテコができ、力が要りません。
- 押すだけで聴かない。 ベンドは手ではなく耳で完成します。いつも着地音と比べながら押します。